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【今週のレア車】Vol.66 カワサキメグロSG
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- 2017.05.24
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。 今週は、カワサキに吸収合併された目黒製作所最後のモデル、メグロSGです。
バイク乗りなら“メグロ”と聞いて、「何となく古いバイク?」「ヴィンテージバイク?」などと
何となく想像できるキーワードですが、かつては戦前からあった日本のオートバイメーカーです。
設立当初は自動車修理やトライアンフの部品を製作していましたが、
1937年、初のオートバイ(メグロ・Z97)を発売しました。
その後、後継車である「メグロ・Z98」等の販売も好調でしたが、
第二次世界大戦が激化した影響でオートバイ事業は一時中止しています。
世界大戦終了後、再びオートバイ事業を開始、
高度成長期には数々のオートバイを販売していましたが、
1960年代に入るとホンダ等が得意とする小型車にシェアを取られ、
1964年には川崎航空機工業(現在の川崎重工業)に吸収されています。
本題から少し脱線しますが、目黒製作所の名称について調べてみました。
設立者(鈴木高次)創業者(村田延治)の名前は採用されておらず、
では何故「目黒製作所」になったのでしょうか?
当時の所在地は東京府荏原郡であり、「荏原製作所」と名乗りたかったのようですが、
既に(株)荏原製作所(←現存)が存在していていました。
地名の桐ケ谷という案もあったそうですが、こちらも火葬場があるという印象の悪さから否決。
思案の結果、目黒の町からは少々離れてはいましたが、
この一帯を目黒と呼んでいたことから「目黒製作所」となったようです。
妥協して決めた名称だったんですね。笑
「目黒製作所」話で前置きが長くなりましたが、今週のレア車でご紹介するのは、
川崎重工時代になり、メグロブランドの最後に発売された
カワサキメグロ・SG250(1964年-1969年)です。
メグロブランド最終となる単気筒OHVエンジンは、信頼性・耐久性に優れるため、
このSG250は現存する台数も多いと言われています。そのためメグロを代表する1台となっていますが、
ネットで調べると、現在販売可能なSG250は数台程度しかありません・・。
現存する台数は多いと言われても、発売から50年余りで、絶対数も少ないはずです。
持っている人が多いとしても売却する考えなどなく、「手放さないバイク」という方が正確かもしれませんね。
SG250はメグロからカワサキになる過渡期のため、発売後2年は「カワサキメグロ・SG250」でしたが、
その後は「カワサキ・SG250」となり、メグロの名称が無くなっています。
今回の車両はメグロのエンブレムが付いているメグロ最終モデルでした。
デザイン面では現行のエストレア250にその流れを作ったと言われていますが、
そのエストレアも今年で生産中止となり、受け継がれてきたモデルが無くなるのは少々淋しい限りですね。
今回出品されている車両はオリジナルを保たれており、年式の割にはかなり状態の良い個体となっています。
車検のない250ccですので、コツコツ仕上げて、長く保有のできるバイクです。
いつでも買えるバイクではないので、欲しい人は抑えておきたい1台ではないでしょうか。