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【今週のレア車】Vol.40 メグロ スタミナZ7
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- 2016.11.16
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は今は亡き目黒製作所のベストセラーモデル、スタミナZ7です。
このコーナー始まって最も古いバイクの登場です。
年式は昭和32年(1957年)、約60年も前のバイクになります。
今は無きメーカーである、目黒製作所は海軍軍人だった鈴木さんという方が1925年に設立、
当初は自動車修理や部品製作を行っていたようですが、1937年に自社製品として
最初のバイクであるメグロ号・Z97を発売後は様々な種類のオートバイを発売、最盛期には
今回紹介する500㏄単気筒のZ7や250㏄単気筒のS3等で年間15,000台程の
生産規模を誇るメーカーでした。
しかしながらホンダ等の戦後派メーカーに押され業績が悪化、1963年には川崎重工業の
傘下となり、翌年に吸収、消滅しました。
現車のメグロスタミナZ7ですが、メグロとしては最後の500ccOHC単気筒エンジン車で、
この後継車であるメグロKスタミナは、後のカワサキWシリーズの原型となった並列2気筒
エンジンになっています。
言ってみればスタミナZ7は、Wシリーズの“おじいさん”と言ったところでしょうか。
ちなみに「スタミナ」という愛称は公募で選ばれたそうで、その名の通り耐久性の高い実用車と
して評価され、大型バイクとしてはベストセラー、警視庁の白バイとしても大量に採用されました。
そのせいか、現存している個体は大概がもと白バイ仕様のようです。
白バイ仕様の最大の特徴は速度計で、一般仕様車は黒文字盤の速度計だそうですが、
白バイ仕様車は白文字盤で追尾違反車の超過速度を細かく視認できるよう目盛りが細かく
刻まれています。現車のメーターも白文字盤で、やはりおそらく白バイ仕様がベースと思われます。
メグロとしては現存数も多く人気のあるシリーズのようですが、いずれにしても約60年前のバイク、
大切に乗ってほしいものです。