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【一葉的バイクの小窓】vol.6 海外からのお客様をバイクでおもてなし。
- おすすめコラム
- 2016.11.25
訪日外国人の夢を叶えるパワフルウーマン。FRJ代表の松林由紀子さんにお話を伺った。
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代表は元JALの国際客室乗務員
ここ数年、日本に観光で訪れる外国人が増えている。
昨年2015年は、19,737,409人。
今年2016年は、1月10月までで、すでに昨年を超えて20,113,000人。
2000万人を超えたのは初めての快挙だという。
(*出典:日本政府観光局(JNTO))
これだけたくさんの方が訪日しているのなら、
「日本でツーリングしたい」
と願うバイク好き外国人も多そう。
そんな外国人の夢を叶えてくれる会社がある。
訪日外国人向けモーターバイクツアー専門旅行社。
Fun Ride Japan ファン・ライド・ジャパン(以下FRJ)。
代表の松林由紀子さんは、神奈川県葉山町在住の主婦。
前職は日本航空国際線CA。
(私の世代ではスチュワーデスと言ったほうが馴染み深い)
松林さんは、子供の頃から英語が得意で、
英語を使った職業に就きたいとCAになった。といっても簡単になれるものでは無く、
ものすごい倍率を勝ち抜いて選ばれたひとりである。
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感動を外国人に伝えていきたい
松林さんが二輪免許を取得したのは、56歳の時。
「バイクは、30年前に原付で転んで以来、乗ったことがありませんでした」
CA時代、アメリカで見たハーレーダビッドソンに興味を持った。
あのバイクに乗りたい。
そんな気持ちを抱くようになった。
「教習所では、一気に大型二輪免許まで取りましたよ」
56歳の女性が一気に大型二輪を取ったと言うから驚きだ。
(2回も繰り返してゴメンナサイ)
愛車は、ハーレーダビッドソン1200スポーツスター。
免許を取った後、最初に行ったのは青森県。
「ねぷたが見たくて青森まで行きました。私、青森が好きなんです」
それから、2~3年はひとりで日本全国をグルグル走っていたと言う。
北海道から九州まで日本地図を埋め尽くす勢いで走り回った。
なんて素晴らしいのだろうと感動の連続だった。
全国をツーリングして強く感じた。
「この感動を海外の人にも伝えたい」
定年まであと2年のとき、ある決断をした。
「人生について考えたとき、何か自分らしいことをやりたいと思ったんです」
35年間勤め上げた会社を早期退職した。
退職後、旅行業の免許を取得。準備期間を経て今年3月にFRJを立ち上げた。
フライトで培ったサービスマナーと英語力を武器にバイクで日本の魅力を伝えて行く。
何せ、おもてなしのプロだ。
FRJでは、リクエストに応じてツーリング行程を組み立てていく。
バイクレンタル、宿泊宿、食事処etc.
「お客様の都合に合わせ、時間と予算の中で、何を見たいか、何をしたいか。
どのようなことを求めているのか、それに応えて行きたいです」
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外国人の目で日本の良さ再発見
松林さんは、自身も海外でのツーリングを楽しんでいる。
バイクをレンタルし、気ままにツーリングする。
ラスベガス、ハワイ島、オアフ島…。
どこへでも独りで行くのだと言う。
「最初は右と左が違ったりして、慣れるまで怖いこともあるけど、楽しいですよ」
外国人と国内ツーリングをしていると、着眼点に驚かされることがあるのだとか。
「日本人が気に留めないようなことに興味を示したり、
見過ごしている美しい風景に気づかせてくれます。
そのような“外国人の目”からヒントを得て、地域創生の手助けをしていければいいなと考えています」
松林さんと話をしていると、おのずと姿勢を正している自分がいる。
立ち居振る舞いは美しく、発言は明確。見習うべきところばかり。
笑顔が素敵で、さすがスチュワーデスといった感じ。
話が盛り上がるにつれ、機内では見せなかったであろう屈託の無い笑顔を見せてくれる。
私は彼女のそんなところに、女としてますます魅力を感じてしまう。