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【遠藤イヅルの名車カタログ】第6回 トライアンフ・T20 タイガーカブ
- おすすめコラム
- 2016.06.25
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、歴史あるトライアンフの中から、「トライアンフ・T20タイガーカブ」のご紹介です。
トライアンフ・T20 タイガーカブ (1959年)
空冷OHV単気筒199㏄ 最高出力10hp/6000rpm
英国を代表するバイクメーカー「トライアンフ」の歴史はとても古く、
源流を辿れば1885年に設立された「ジークフリード・ベットマン貿易会社」
(Siegfried Bettmann & Co. Import-Export Agency )が
当初扱っていた自転車の商標名「トライアンフ」に端を発する。
1902年にはバイクの製造を開始、20世紀初頭には
早くも開催されていたバイクレースで勝利し、名声を高めていった。
なお、4輪のトライアンフはバイクのトライアンフが
1920年~1936年まで製造していたが、
それ以後4輪のトライアンフはブランド名が同じながら
バイクのトライアンフとは関係のない会社となっている。
当初コヴェントリーで製造されていたトライアンフは、
第二次大戦中に軍用車の製造を行っていたために
空襲に遭い壊滅。そこで1942年にはメリデンに工場を移設、
ただちにバイクの製造を再開した。
メリデン工場は、
日本製バイクの地等に追われて1983年に閉鎖されるが、
1990年に立ち上がった新生トライアンフが
ヒンクレーに新工場を建設してニューモデルを発表。
以降トライアンフは、
英国製モーターサイクルの流儀を守ったバイクとして
独自性を持ち、バイクブランドとして
多くのファンを獲得している。
今回取り上げる「T20 タイガーカブ」は
メリデン工場で1954年から1960年代末まで
製造された「小さなトライアンフ」で、
1952年に登場した150ccモデル「T15テリア」の
事実上の200cc版であったが、
デュアルシートを備えた大排気量モデルと同じ風格ある
デザインのボディに扱いやすい199ccOHV単気筒エンジンを
搭載した軽快なモデルとして人気があった。
タイガーカブ系バイクは長きに渡り製造されたため、
アメリカ向けモデルのT20W、トライアル向けのT20Tのほか、
T20C、T20J、T20CA、T20S、T20SL、T20WD、T20SS、
T20SH、TR20、T20SC、T20SR、T20SM、T20Mなどなど、
膨大なバリエーションを誇り、外観も多岐にわたった。
イラストは1959年式のT20である。