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【遠藤イヅルの名車カタログ】第25回 ヤマハ・XV400ビラーゴ
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- 2017.04.16
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は本格アメリカンの礎となった『ヤマハXV400ビラーゴ』です。デザイン美しい現行ドラッグスターへの流れを作ったモデルでもありますね。
■ヤマハ・XV400ビラーゴ ■エンジン:4サイクル空冷OHV2バルブV型2気筒399cc
■最高出力:40ps/8,500rpm ■最大トルク:3.5kg・m/7,000rpm
1970年代〜1980年代初期の国産アメリカンスポーツバイクは、
ロードスポーツモデルのフロントフォークを寝かせ、
ハンドルをアップしてシート位置を下げたモデルが多く、
エンジンも直2や直4が多くハーレーのようなVツインではなかったため、
本格的なアメリカンスタイルには至っていなかった。
のちに1981年になってVツイン搭載モデルとして
ヤマハがXV750スペシャルを、
翌1982年にはホンダがVF750マグナ、
さらに1983年にはNV400カスタムを発売。
ヤマハも同年、XV400スペシャルを発表し、
アメリカンのエンジンはVツイン、という流れが出来上がった。
とはいえ、どこかしらまだヤマハXV750/400スペシャルは
ロードスポーツモデルの派生車種感が拭いきれていない印象があった。
だが、ヤマハは1986年にXV750スペシャルの後継モデルとして
「XV750ビラーゴ」を送り出した。
フロント19/リア15インチと径の差が大きいホイール、
太いリアタイヤ、傾斜角の大きなフロントフォークの上方には
こぶりなヘッドライトが装着され、
一気にアメリカンスタイルに近づいたのだった。
そして1987年にそのテイストを引き続いて登場したのが
「XV400ビラーゴ」である。
XV400スペシャルの後継車となるこのバイクの設計上の特徴は、
ガソリンタンクをダミーにしてまで
タンクを小さく見せ、アメリカンスタイルを実現しようとしていたこと、
そして大幅に延長されたホイールベースだった。
ホイールもワイヤースポークになり、
それぞれのシリンダーから生えるマフラーは
ボディの右サイドで縦に並べられたあとエンドを斜めにカットされた
「スラッシュカットマフラー」に、
ステアリングもプルバックとフラットバー型を選べるようになるなど
ヤマハは様々な要素でアメリカンスタイルを表現した。
1988年には250ccのXV125/250ビラーゴ
そして1995年にはXV1100ビラーゴも追加され、
ビラーゴファミリーが完成している。
なおXV400ビラーゴは1996年にさらにアメリカン度をアップした
「ドラッグスター」に進化、
125、250、1100ともにのちにドラッグスター系へとモデルチェンジを行っている。