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【遠藤イヅルの名車カタログ】第20回 ヤマハ・SRX-6 (1985)

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  • 2017.01.20

イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車はヤマハのビックシングル「ヤマハ・SRX-6」のご紹介です。


1978年に発売が開始され、改良を重ねて今なお販売されるベストセラーモデル、

ヤマハ・SR400(500)を擁するSRシリーズには、

かつて単気筒バイクながら新しい外観と

高めの性能が与えられた“SRX”というグループが存在した。


1980年代中期はレーサーレプリカがバイクの主流となる前夜だったが、

その最中の1984年に、まず「SRX250」がデビューした。

"SR"と付くがエンジンはSR250と別物のDOHC。


空冷ながらなんと32ps(後期型では28ps)を発生、

125ccバイク並みの121kgという軽い車重を生かして、

当時流行したシングルスポーツバイクとして侮れない実力を誇った。


そして1985年、SRXシリーズの真打ち、「SRX−4」と「SRX-6」が登場した。


単気筒SOHCである以外共通点がない、

4バルブ・デュアルエキゾーストを備える新設計エンジンを搭載。

こちらもSRX250同様、SR400/500とはまたく違うバイクと言ってよい。


設計もSRとは大きく異なり、SRの伝統的なフレーム構造を廃して

角形断面のダブルクレードルフレームを採用。

それに沿うようにデザインされたタンク、

量産車としては異例の短さの多段膨張反転構造を持つマフラーを採用するなど、

シングルロードスポーツにふさわしい外観を得ている。


そしてSRXの特徴か、SRX−4/SRX−6も車重がとても軽く、

どちらも150kgを下回っていた。


デビュー当初は400ccがSRX−4、600ccがSRX−6と呼ばれたが、

1990年には各部をリファイン、モダンなエクステリアを纏った2代目にモデルチェンジ。

車名もSRX400とSRX600に変更となっている。


シンプルなスタイル、軽い車体に扱いやすい特性の単気筒エンジンを持ち、

スポーツライディングも楽しめるSRXシリーズは今なお名車としての評価が高いが、

250、400、600ともども21世紀を迎えることなく、

そして後継モデルもないまま生産が終わってしまったのは惜しいところである。

制作・協力

バイクの窓口事務局

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