他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの珍車カタログ】第19回 ホンダ・ジュノオM80(1961)
- おすすめコラム
- 2017.01.15
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、スクーターの祖先とも言うべき「ホンダ・ジュノオM80」です。
■ホンダ・ジュノオM80(1961)
■エンジン:空冷4サイクルOHV水平対向2気筒124cc
■最大出力: 11PS/9,000rpm
ファミリーバイクから発展した結果1980年に登場したスクーター、「ホンダ・タクト」は、
各社の小型バイクの流れを一気にスクーター化するインパクトがありました。
ところで、スクーター自体はそれよりもずっと前、
1950年代にすでに登場していて、スクーターブームを巻き起こしていました。
そのひとつに、1954年に登場した「ホンダ・ジュノオ(K)」があります。
ジュノオKは189ccの空冷単気筒4ストエンジンを搭載、
ボディシェルは当時としては画期的なFRP製で、
そこそこの雨なら凌げるほどのサイズを誇る巨大なウインドゥシールドを備えていました。
ところが販売は芳しくなく1955年に発売を終了してしまいます。
1961年、ホンダは再びスクーター市場に「ジュノオM80」で参入。
M80は初代とはまったく異なるスクエアでモダンなデザインに変貌、
エンジンもスクーターでは異例の124c空冷水平対抗2気筒4ストを搭載し、
トランスミッションもバダリーニ式と呼ばれた無段変速…というたいへんな野心作でした。
翌1962年には、エンジンを169ccへとアップ、
さらに新技術を投入した「M85」となって1968年まで生産されましたが、
そのあいだの販売台数はわずか5880台。
先進性と野心に溢れつつも販売で苦戦した、悲運の傑作車となってしまったのでした。
■メーカーのページ(プレスインフォメーション) ジュノオK型、ジュノオM型、タクト