他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの名車カタログ】第16回 ホンダ・フュージョン(1986)
- おすすめコラム
- 2016.11.26
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、ビッグスクーター流行の先駆けとなった「ホンダ・フュージョン」のご紹介です。
■ホンダ・フュージョン(1986)水冷4ストローク2バルブ単気筒244㏄
■最大出力:20 ps / 7,500 rpm ■最大トルク:2.2 kg-m / 5,500 rpm
街を行くバイクの中に、ビッグスクーターの姿を良く見かける。
ビッグスクーターはおおらかな大型車体に余裕のあるパワー、
ゆったり乗れるポジション、2人乗車時のパセンジャーも快適なことなどから
一定の人気を持つジャンルのひとつである。
このジャンルを代表し、かつ先鞭となったバイクが
1986年に登場したホンダ・フュージョンである。
長いホイールベースに足を投げ出して乗るポジションは
スクーター版ローライダーとでもいえる斬新さで、
シートも肉厚で快適、ヘルメット2個を収納出来るトランクなど
街乗りから長距離ツーリングもラクラクというマルチな使い方にも
対応出来る設計が特徴である。
だが、折しも時代はレプリカブーム真っ盛り。
その後はネイキッドブームがやってきたことで
フュージョンは注目を浴びることなく
1998年で一度生産を終了してしまうことに。
でもついに時代がフュージョンに追いついた。
その頃に起きたビッグスクーターブームによって
フュージョンの持っていたポテンシャルに皆が気づいたのだ。
その結果ホンダは2003年に生産の再開を決定。
排ガス規制によって2007年にそれも終了したが、
大柄な車体、カクカクしてちょっとクラシカルなスタイル、
パワーはちょっと足りないけど安定した走りなどから
今でもとても人気があり、ホンダや他のメーカーから
後継や同ジャンルのモデルが数多く発売された後も
街中ではまだまだ元気な姿を見せている。
おおらかなイメージはアメリカ車を想像させるが、
実際に海外でも「ヘリックス(HELIX)」の名前で輸出された。
イラストは、サイドマーカーがまさにアメリカンなヘリックスを描いている。