他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの名車カタログ】第11回 ヤマハ・DT1(1968)
- おすすめコラム
- 2016.09.11
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、モトクロス人気の火付け役となった「ヤマハ・DT1」のご紹介です。
■ヤマハ・DT-1(1968) 空冷2ストローク単気筒246㏄
■最高出力: 13.6kW(18.5PS)/ 6,000r/min
■最大トルク: 22.6N・m(2.3kgf・m)/ 5,000r/min
1968年にヤマハ初のオフロード専用設計を持って誕生した「DT−1」。
国産バイクとしても初の本格的トレールバイクでもあった。
ヤマハはそれまでも北米で「トレールマスター」というオンロード車ベースの
トレールモデルを発売していたこともあり、まずは北米で販売を開始。
DT−1は空然の大ヒットを記録することとなった。
日本でも遅れて販売が始まったがその反響は日本国内でも大きく、
オフロードバイクファンを増やして行くと同時に、
ヤマハ純正の豊富なレース用パーツ「YGTキットパーツ」の導入なども行い、
本格的なモトクロスレースでも大いに活躍した。
DT−1はヤマハのワークスモトクロスライダーとして1960年代に名を馳せた
鈴木忠夫が乗って1967年のモトクロス日本グランプリで優勝した、
「YX26」の技術も投入されていた。
とくにDT−1のエンジンは、それまでのヤマハ2ストバイクの
標準的な設計だったロータリーバルブからYX26同様のピストンバルブへ。
ボア・ストロークまで同一とされた250ccの単気筒から、
18.5psの最高出力を発揮した。
鈴木忠夫はDT−1のデビュー後の1968年モトクロス日本グランプリでは
GYTキットパーツを組んだワークスDT−1で参戦して優勝を飾り、
翌1969年にはセニア250ccクラスのチャンピオンをも獲得、
DT−1のポテンシャルの高さを証明した。
DT−1はその後1970年にマイナーチェンジを行い「DT250」と名称を変更、
パワーアップもしつつ1970年代後半まで製造された。
いっぽう、ヤマハはDT−1が生み出したモトクロスブームに答えるべく、
90ccの「HT−1」、125ccの「AT-1」、175ccの「CT−1」、
360ccの「RT−1」、“ミニトレ“シリーズの「FT50」、「JT60」、などの
DT−1派生モデルを実に7車種も用意することとなった。
■メーカーのページ:DT1誕生・オフロードマニア